コラム
要介護状態にある方のご家族・関係者様へのケアとは?利用できるサービスやストレス軽減の方法を解説
介護が必要な家族を支えることには、愛情と責任の両面が伴っており、長期間の介護によって、心身の負担を抱えるご家族や関係者様も少なくありません。特に近年では、要介護認定者の増加により、介護を担う人の「介護疲れ」や「孤立」が社会問題となっています。
本記事では、要介護状態にある方を支えるご家族・関係者様へのケアについて、その重要性と利用できる支援サービス、そしてストレスを軽減するための具体的な方法を解説します。
1.要介護状態にある方のご家族・関係者様へのケアが重要な理由
2.要介護状態にある方のご家族・関係者様のケアとして利用できるサービス
3.要介護状態にある方のご家族・関係者様のストレスを軽減する方法
4.まとめ
要介護状態にある方のご家族・関係者様へのケアが重要な理由
日本では、65歳以上の高齢者のうち、要支援・要介護認定を受ける方が年々増加しています。特に75歳以上では、その割合が大きく上昇しています。こうした背景のなかで、介護を担う家族や関係者様が「介護疲れ」を感じるケースも増えており、その方々への心身のケアは社会全体で考えるべき重要な課題です。
本章では、介護者が抱える負担やストレス、そしてそれを放置した場合に起こり得る問題について解説します。
ご家族や関係者様が抱える負担やストレス
介護を担うご家族や関係者様は、日々の介護を通して、身体・経済・精神の3つの面で大きな負担を抱えている傾向にあります。
・身体的負担
移動や入浴介助、夜間の見守りなどの重労働が中心。長期間続くことで、腰痛や慢性的な疲労、睡眠不足に悩まされることがある。
・経済的負担
介護サービスの自己負担分や医療費、交通費などが積み重なり、家計を圧迫。仕事をセーブせざるを得ず、収入減少に悩む方も少なくない。
・精神的負担
介護の孤独感や「自分が頑張らなければ」という責任感から、強いストレスを抱えることがある。心身の疲弊が続くと、介護うつなどのリスクにつながる。
このような負担は互いに影響し合い、介護者の健康や生活の質を低下させる要因となるため、早めのサポートや休息が必須です。なお、介護による負担やストレスの感じ方には、個人差があります。無理をせず、自分の体調や気持ちに合わせて、休息を取る判断をしましょう。
介護ストレスの放置により起こり得る問題
介護によるストレスを放置することで生じる問題として、高齢者虐待・介護うつ・介護離職が挙げられます。
・高齢者虐待
介護者が過度な疲労やストレスを抱え続けると、意図せず言動が粗くなり、結果的に高齢者を傷つけてしまうケースがある。これは介護者の問題というより、支援不足による環境要因に着目すべき側面も大きく、社会的にも問題となっている。
・介護うつ
終わりの見えない介護によって心身が限界に達すると、無気力・不眠・涙もろさなどの症状が現れることがある。早期の休息や相談を怠ると、うつ状態が長期化する危険性あり。
・介護離職
介護と仕事の両立が難しくなり、やむを得ず退職を選ぶ人も増えている。収入の減少や将来への不安が重なり、経済的にも精神的にも追い詰められるケースがある。
このような問題を防ぐためには「介護者も支援を受けてよい存在である」という意識を持つことがカギとなります。制度や地域のサービスを上手に活用し、心身に無理のない介護を続けられる環境を整えていきましょう。
要介護状態にある方のご家族・関係者様のケアとして利用できるサービス
介護を担うご家族や関係者様が心身の負担を減らすためには、支援制度やサービスの活用が欠かせません。本章では、公的・民間を含めた代表的なサービス内容と、その活用のポイントを解説します。
①介護保険サービス
介護保険サービスは、要支援・介護認定を受けた方と、その家族を支援するための公的制度です。なかでも注目されているのが「レスパイトケア」という考え方で、介護者が一時的に介護から離れて、休息を取ることを目的としています。
レスパイトケアにつながる介護保険サービスは、以下の内容です。
・デイサービス
日中に施設へ通い、入浴・食事・機能訓練などを受けるサービス。
・ショートステイ
数日から数週間、高齢者を一時的に施設へ預けられるサービス。旅行や冠婚葬祭、体調不良時など、介護者が自宅を離れる際に利用できる。
・訪問介護・訪問看護
専門の介護職や看護師が自宅を訪問し、生活支援や医療的ケアを提供する。また、訪問看護は、利用者の状況により、介護保険の他に、医療保険を使って利用できる場合もある。
これらを上手に組み合わせることで、介護者の心身の余裕を保ちながら、質の高い介護を継続できる環境を整えられます。
②介護保険外のサービス
介護保険の対象外でも、地域や民間が提供する支援を活用することで、日常の負担を軽減できます。公的制度では補えない部分を、補助してくれる点が魅力です。
・ボランティアによる付き添い・安否確認サービス
地域のボランティア団体が高齢者の自宅を訪問し、見守りや外出時の付き添いを行う。
・配食サービス
栄養バランスの取れた食事を、定期的に自宅へ届けてくれるサービス。食事づくりの負担を減らすだけでなく、健康状態の維持にも役立つ。
・家事代行・送迎支援などの民間サービス
掃除や洗濯、買い物代行、通院時の送迎などを行う。
これらを介護保険サービスと併用することで、より柔軟で実生活に即した支援体制を築けます。
③行政サービス
行政による支援も、介護を続けるうえで欠かせません。各自治体には、介護や医療、福祉に関する相談を一括して受け付ける「地域包括支援センター」が設置されています。介護サービスの利用方法や制度の紹介、生活上の悩み相談など、幅広い支援を受けることが可能です。
また、自治体によっては、高齢者支援サービスとして、生活援助員の派遣や外出支援、見守り活動などを実施し、介護者が一人で悩みを抱え込むことを防ぎ、介護手当などの制度を設けているところもあります。その他、国による介護休業制度などを含め、公的な支援制度は金銭面の悩みを解決し、介護を続ける家族の大きな支えとなります。
要介護状態にある方のご家族・関係者様のストレスを軽減する方法
介護を長く続けるためには、介護者自身の心と体を守る工夫が欠かせません。本章では、ストレスを軽減し、前向きに介護を続けるための実践的な方法を解説します。
ただし、ここで紹介した方法は一例であり、効果の感じ方には個人差があります。自分に合った方法を見つけ、心身に負担のない形で介護と向き合うことが大切です。
自分だけの時間を持つ
介護者が自分の生活の中心を介護にしてしまうと、心身が疲弊しやすくなるので、自分のための時間を意識的に確保しましょう。例えば、趣味や散歩、友人とのお茶の時間など、介護以外の時間を持つことで、気分転換ができます。
相談できる人を見つける
介護を一人で抱え込むと、孤立感や不安が強まり、ストレスが増大するため、身近な家族や友人など信頼できる相談相手を見つけましょう。介護の専門知識を持つ「ケアマネージャー」に相談すれば、介護保険サービスや生活支援策など、具体的なアドバイスを得られます。
さらに、地域で開催されている「介護家族の会」では、同じ立場の人と悩みを共有でき、孤立感を和らげるきっかけになります。「助けを求めることは弱さではない」という意識を持ち、周囲とのつながりを積極的に活用しましょう。
介護施設への入居を検討する
介護の負担が限界に近づいた場合、介護施設への入居は現実的で前向きな選択肢の一つです。施設では専門のスタッフが常駐し、医療ケアやリハビリ、生活支援を行ってくれるため、介護者の身体的・精神的負担を大きく減らせます。
また、入居者同士の交流やレクリエーションなど、社会的なつながりを保てる環境が整っている点もメリットです。「入居=家族の責任放棄」と考える必要はなく、介護者と高齢者の双方が安心して過ごせる環境を整えるための選択といえるでしょう。
まとめ
介護は「支える側」にも大きな負担がかかるため、介護者自身の心と体を守る意識が欠かせません。無理をせずに介護を続けるためには、行政や介護保険サービス、地域の支援制度などを上手に活用し、周囲とつながりながら支え合うことが大切です。
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