コラム
進行性核上性麻痺の5つのリハビリテーション方法をご紹介!自宅での注意点も解説
進行性核上性麻痺(PSP)は、姿勢の保ちにくさや歩行障害、目の動かしづらさなどを特徴とする、進行性の神経疾患です。転倒リスクが高く、パーキンソン病と似ている一方で、進行のスピードやリハビリテーションのアプローチには独自の工夫が求められます。
本記事では、ストレッチや筋トレ、歩行練習など、PSPの進行を少しでも緩やかにし、生活の質を保つために効果的な5つのリハビリテーション法をご紹介します。あわせて、ご自宅で過ごす際の注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
進行性核上性麻痺(PSP)とは?
進行性核上性麻痺(PSP)は、神経細胞が徐々に減少するまれな神経疾患で、バランスの低下や眼球運動障害、筋肉の硬直、発話・嚥下障害、認知機能の低下などの症状が現れます。特に、立ち上がり・歩行時の転倒や下を向けない視線障害が特徴で、パーキンソン病と類似するため誤診されることもあります。
しかし、PSPは進行が速く、薬の効果も限定的です。根本治療はありませんが、リハビリテーションや栄養管理などにより、症状の緩和と生活の質の維持が図られます。
進行性核上性麻痺の主な症状
進行性核上性麻痺(PSP)の主な症状は、以下の内容です。
・起立・歩行障害:立ち上がりの際は後ろ向きに転倒しやすい。歩行障害は、すくみ足や歩行の加速が見られる
・眼球運動障害:上下の視線移動が困難になり、特に下方向が見づらくなる
・パーキンソニズム:体幹や首の筋肉が硬くなり、動きが遅くなる
・構音・嚥下障害:言葉が不明瞭になり、飲み込みが難しくなることで、誤嚥性肺炎のリスクが高くなる
・認知機能障害:物忘れや判断力の低下が見られる
進行とともに、これらの症状は悪化するため、早期のケアと環境整備が欠かせません。
進行性核上性麻痺の5つのリハビリテーション
進行性核上性麻痺(PSP)の進行を遅らせ、できる限り自立した生活を維持するためには、適切なリハビリテーションが必須です。本章では、PSPに効果的な5つのリハビリテーションについて解説します。
➀ストレッチ
ストレッチは、PSPで生じる筋肉のこわばりや、姿勢の崩れを予防・緩和するために重要です。特に、首・体幹・足首の柔軟性を保つことで、転倒リスクや関節拘縮を防ぐ効果が期待されます。
具体的には、頚部を前後左右に倒す・回す、体幹を前屈する、足首を上下に動かすなどの動作を無理のない範囲で繰り返し行います。日常生活動作のスムーズな維持のためにも、毎日の習慣として取り入れましょう。
頸部の後屈が強い場合は反らす方向の可動域訓練を控えめにし、疼痛やふらつきが出たら中止してください。
②筋力トレーニング
筋力低下を防ぐためのトレーニングは、PSPの方に欠かせません。膝伸ばしや足上げ、お尻上げ運動などは、下肢の筋力を維持し、起き上がりや立ち上がりを補助します。
ベッドや床上で安全にできる運動を選び、1回10秒程度を目安に継続することがポイントです。過度な負荷は禁物ですが、適度なトレーニングは、転倒予防や日常動作の安定に直結します。できることから始めて、自信と体力を少しずつ積み上げていきましょう。
転倒などに注意し、家族などの見守りのもとで実施してください。
③バランストレーニング
バランス能力の低下は、PSPの方の転倒リスクを高める大きな要因です。バランストレーニングでは、片足立ちやかかと上げ、つま先上げ、軽いスクワットなどを取り入れることで、体幹と下肢の安定性が向上します。
初期は手すりや支えを利用し、徐々に不安定な足場でも練習できるようになると、応用力もついてきます。これにより、室内での安全性が増し、外出時の不安も減るため、生活範囲の拡大につながるでしょう。
転倒に注意し、必ず手すりなどの支えを活用し、家族等の見守りのもとので実施してください。
④歩行練習
歩行練習では、平行棒や歩行器を活用しながら、安全のもとで練習をします。方向転換や段差の昇降など、実生活を想定した動作を取り入れることが理想的です。また、歩く際の視線や姿勢にも注意を払い、眼球運動障害とのバランスを取りながら進めることが大切です。
歩行速度や歩幅を安定させるために、リズムを取ったかけ声や音楽を利用することも効果が期待できます。身体の状態に応じて、短時間でも継続的に取り組むことが改善への近道となります。
⑤構音・嚥下(こうおん・えんげ)訓練
構音や嚥下の障害は、PSPにおいて早期から現れやすい症状の一つです。発声練習や舌・唇・喉の運動による構音訓練は、コミュニケーション維持に役立ちます。また嚥下訓練では、正しい姿勢での飲み込み練習や、喉の筋力強化を行い、誤嚥性肺炎のリスクを減らします。
これらの訓練は、言語聴覚士の指導のもとで安全に実施しましょう。日常的に行える口腔体操や発声練習を身につけることで、自宅でも継続しやすくなり、症状の進行を緩やかにする効果が期待できます。
進行性核上性麻痺患者様が自宅で過ごすときの注意点
進行性核上性麻痺(PSP)の患者が自宅で安全に過ごすには、転倒リスクを下げるための環境整備と、日常的な声かけや見守りが不可欠です。以下に、具体的な対策を紹介します。
・家具の配置の見直し
通路や動線上の障害物を取り除き、移動しやすく広めに確保することで、つまずきや転倒のリスクを軽減できる
・手すりの設置
寝室・トイレ・廊下に手すりを設け、立ち上がりや歩行をサポートすることで、自立性と安全性を高める
・滑り止め対策の徹底
浴室やトイレなどの水回りには滑り止めマットを敷き、床材には滑りにくい素材を使用する
・ベッド周辺の安全対策
ベッドには転落防止の柵や手すりを設置し、適切な高さに調整することで、安心して起き上がれるようになる
・視認性の工夫(テープ活用)
床の段差や角には蛍光テープを貼るなどして目立たせ、視覚的な注意喚起によって転倒を予防する
・声かけ・見守りの習慣化
移動時には「ゆっくりで大丈夫ですよ」などの声かけをする。必要に応じてそばで見守る
こうした細かな工夫を積み重ねることで、PSPの方の自宅生活における安心感と自立支援を両立させられます。
まとめ
進行性核上性麻痺(PSP)は、歩行障害や眼球運動障害、認知機能の低下など、日常生活に大きな支障をきたす進行性の神経疾患です。特効薬はありませんが、早期からのリハビリテーションによって、転倒予防や嚥下機能の維持など、生活の質を支えることが可能です。
ストレッチや筋力トレーニング、構音・嚥下訓練に加え、自宅環境の整備や声かけによるサポートも欠かせません。多職種と連携し、患者一人ひとりに合った支援を継続することが大切です。
緩和ケア専門の高齢者住宅「パリアティブケアホーム」をご利用ください
全人的な緩和ケアで要看護期を幸せにする高齢者向け住宅「パリアティブケアホーム」は、大阪府・愛知県を中心に、がん・難病を抱える方に対して日常生活を豊かにするための支援を行っています。まずは、お近くの施設にお気軽にお問い合わせください。
【大阪府】
■パリアティブケアホーム はなの楠根
所在地:大阪府東大阪市楠根3丁目2番41号■パリアティブケアホーム ゆきの彩都
所在地:大阪府茨木市彩都あさぎ5丁目10-10■パリアティブケアホーム ほしの岸和田
所在地:大阪府岸和田市磯上町1丁目3番29号■パリアティブケアホーム スタイルプラス にじの大蓮
所在地:大阪府東大阪市大蓮南4丁目25番12号■パリアティブケアホーム スタイルプラス なぎの八尾
所在地:大阪府八尾市渋川町3丁目4番11号【愛知県】
■パリアティブケアホームそらの春日井
所在地:愛知県春日井市松河戸町3丁目8番地7■パリアティブケアホームつきの小牧
所在地:愛知県小牧市小牧5丁目315