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2025.09.01

コラム

多系統萎縮症のリハビリテーション方法を知りたい!原因や主な症状も解説

多系統萎縮症(MSA)は、運動機能や自律神経、言語・嚥下など、体のさまざまな機能に障害が現れる進行性の神経疾患です。MSA-P(パーキンソニズム優位)とMSA-C(小脳失調優位)に大別され、線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群といった病型に分類されることもがあり、症状や進行の仕方に個人差があるのが特徴です。

現時点で根本的な治療法はなく、進行に伴う症状に対して、リハビリテーションによる機能維持や生活の質の向上が重要とされています。本記事では、原因や主な症状をはじめ、効果的とされる6つのリハビリテーション方法について解説します。

多系統萎縮症(MSA)とは?

多系統萎縮症(MSA)は、自律神経や運動機能、小脳など、複数の神経系に障害が現れる進行性の神経変性疾患です。主に、3つのタイプがあるといわれています。

・パーキンソン病に似た症状が出る「線条体黒質変性症(MSA-P)」
・ふらつきや協調運動障害が中心の「オリーブ橋小脳萎縮症(MSA-C)」
・自律神経の症状が強く出る「シャイ・ドレーガー症候群(MSA-A)」

原因は明らかになっていませんが、「α-シヌクレイン」というタンパク質の異常蓄積が関与していると考えられています。現在は根本的な治療法がなく、薬物療法やリハビリテーション、生活環境の工夫などによって、症状の緩和と生活の質の維持を目指します。

多系統萎縮症の主な症状

多系統萎縮症(MSA)は、神経系のさまざまな機能に障害が生じます。また、症状は個人差が大きく、経過中に変動します。以下のように、多様な症状が段階的に現れる点が特徴です。

・起立性低血圧:立ち上がると血圧が急激に低下し、めまいや失神を起こす
・歩行・協調運動障害:ふらつきやバランスの崩れ、手先の動作のぎこちなさが見られる
・構音障害:呂律が回らず、言葉が聞き取りづらくなるため、会話に支障をきたす
・筋肉のこわばり:筋肉が硬くなることで、動作の緩慢さや姿勢が固まる
・排尿障害:頻尿や尿失禁、排尿困難があり、生活の自立を妨げる
・便秘:自律神経の影響により、慢性的な便秘が生じる
・呼吸障害:睡眠時無呼吸や呼吸の浅さなどが生じる

これらの症状は生活全般に影響するため、早期からの管理と対応が欠かせません。

多系統萎縮症の6つのリハビリテーション

多系統萎縮症のリハビリテーションは、機能の維持と生活の質の向上のためにも必要です。本章では、症状に応じて実施される、6つの代表的なリハビリテーション方法を紹介します。

➀反復訓練

反復訓練は、同じ動作を繰り返すことで脳と筋肉の連結を強化し、動作の再学習を促すリハビリテーションです。MSAでは、動作のなめらかさや正確性が徐々に低下しますが、反復によって動きの感覚を維持することが可能です。

例えば、物をつかむ・腕を上げ下げするなどの基本動作を意識的に繰り返すことで、運動の自信やスピードを取り戻す効果が期待できます。毎日の生活に取り入れやすく、自宅で行う練習としても有効です。

②起き上がり・立ち上がり訓練

起き上がりや立ち上がりは、自立生活に欠かせない基本動作です。MSAでは、体幹の筋力低下やバランスの崩れにより、これらの動作が困難になることが少なくありません。この訓練では、重心移動や足の位置、前かがみになる姿勢を繰り返し練習することで、動作の安定性を高めます。

転倒を防ぐための安全な動き方を学ぶことは、ご本人だけでなく、介助者の負担軽減にもつながります。訓練の際は転倒のリスクを考慮し、安全を確保した環境(手すりがある場所や介助者がいる状況)で行いましょう。

③バランストレーニング

バランス機能の低下は、転倒の大きなリスクとなります。バランストレーニングでは、立位や座位で体の揺れを意識しながら姿勢を保つ練習を行い、体幹の安定性を高めます。

初期は手すりや椅子などを使って安全を確保しながら行い、慣れてきたら不安定な足場(バランスボードなど)を使って応用力を養いましょう。屋内での転倒予防にも効果があり、生活範囲を広げるための基礎作りになります。継続することで自信がつき、外出への意欲や社会参加にもつながっていきます。

④歩行練習

MSAの進行に伴い、歩行は徐々に不安定になり、ふらつきやすいです。歩行練習では、平行棒や歩行器を使って、安全に足を出す・踏み込む・方向を変えるなど、一連の動作を確認しながら行います。歩行器などの歩行補助具が必要な方は、リハビリテーションスタッフの意見を参考に選定しましょう。

歩幅や重心の位置に意識を向けることで、転倒のリスクを減らし、移動に対する不安を減らせます。また、段差や階段を含めた練習を取り入れると、より実生活に即した対応力が身につきます。

⑤作業療法

作業療法は、食事・トイレ・更衣・入浴など、日常生活に欠かせない動作をできる限り自分で行えるように、支援する訓練です。具体的には、箸を使う、シャツのボタンを留める、洗面所で身支度を整えるなど、生活動作を段階的に練習します。

作業療法士の役割は、ご本人の状態に合わせて用具や手順を工夫し、できることを引き出すことです。自信を取り戻すことで、意欲や生活への満足度の向上も図れます。また、ご家族が無理なく支援できるよう、介助方法や環境整備のアドバイスも役割の一つです。

➅構音・嚥下(こうおん・えんげ)訓練

構音・嚥下訓練は、MSAに特有の話しづらさや飲み込みづらさに対応する重要なリハビリテーションです。言語聴覚士が中心となり、声を大きく出す練習や舌・唇の動きをなめらかにする訓練、正しい姿勢で安全に飲み込むためのトレーニングを行います。

これにより、会話のしやすさや食事中のむせの軽減が期待され、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。生活の安心感を高める意味でも、継続的な取り組みが欠かせません。症状の進行に応じて早めに取り組むことで、コミュニケーションや食事の楽しみを長く保てます。

まとめ

多系統萎縮症は、自律神経や運動機能など、複数の神経系に障害をきたす進行性の疾患です。根本的な治療法は確立されていませんが、早期からのリハビリテーションによって、機能の維持や日常生活の質を保つことは十分に可能です。

反復訓練や歩行練習、構音・嚥下訓練など、症状に応じたアプローチを継続することが、本人の安心感とご家族の負担軽減につながります。

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