コラム
終活から見る遺言書の特徴とメリット・デメリット
はじめに
次の世代へバトンタッチするために、自分の持ち物や財産、想いなどを整理する「終活」。この言葉は少子高齢化が進む社会的背景などが後押しとなり、日本国内に根付いたと言っても過言ではないと思います。
その終活の中で、遺された家族が困らないために生前に準備しておくもののひとつとして「遺言書」があります。遺言書は家族に自分の意思を伝えるだけではなく、相続に関するトラブルを未然に防ぐ大きな役割を持っています。
今回は「家族への最後のメッセージ」でもある「遺言書」について紐解いていきます。
なお、遺言書と同義語に「遺言状」という言葉もありますが、本記事では遺言書に統一してお話を進めて行きます。
遺言書が持つ意義
冒頭にも少し述べましたが、遺言書というのは遺された家族が困らないようにするために作成するものです。
また遺言書を準備することにより、相続などの家族間トラブルを回避し、家族に安心を与えるものでもあります。
そして「誰に・どの財産を・どの程度相続させたいのか」を明確に指定でき、その内容に法的効力を持たせることが出来ます。
遺言書の種類と各種の内容
遺言書には以下の3種類があります。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、読んで字のごとく遺言者が自分で書く遺言書です。遺言書の全文と、書いた日付、氏名を自書し、押印します。
現在、大半の遺言書はこの形式で行われていると言われています。特に定められた筆記用具などはありませんので、ノートや印鑑、ボールペンなどがあれば簡単に作成できます。
公正証書遺言
公正証書遺言は、「公証人(※1)」に作成してもらう遺言書のことで、2人以上の証人が立会いの下で、公証人が遺言者から遺言内容を聞き取り、公証人が記入します。そして、記入した遺言書を遺言者と証人に読み聞かせ、全員が承認したうえで署名、押印し作成します。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言者が作成した文書(遺言の内容が書かれたもの)を署名・押印したうえでこれを封筒に入れ、文書に使った印鑑で封印します。
これを公証人及び証人2名の前に提出し、遺言者と証人2名とともに封筒へ署名・押印することにより作成します。
提出時に封筒に入った状態で提出するので、遺言の内容を誰にも知られることなく秘密にすることができます。
法務大臣が任命する公務員で、公正証書の作成や、私署証書(私文書)などを認証する人。ウィキペディアより➚
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E8%A8%BC%E4%BA%BA
参考:法テラス「よくある相談 遺言書には、どのような種類がありますか」より➚
各種遺言書のメリット・デメリット
先述した遺言書「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」について一覧表としてメリット・デメリットをまとめました(図1)。作成方法や各種の特徴も記載してありますので併せてご覧ください。
各種遺言書にはそれぞれ特徴があり、自身の状況や目的に合わせ慎重に選択する必要があります。

(図1)
(図1)参考:
政府広報オンラインより➚
法務局「1遺言書と遺言書保管制度」より➚
最後に
「遺言書」と聞くと、テレビなどでよく見る「親族間での相続争い」が頭をよぎる方は少なくないでしょう。
しかし、遺言書は相続争いを防止するだけではないと思います。家族に感謝の気持ちを伝え、次の世代に想いを残すための大切な手段でもあります。それはまさに「想いを乗せて家族へ宛てた最後の手紙」となるのです。
終活のひとつとして遺言書を残すことは、自分の生きてきた道を見つめ直し、大切な人たちへのつながりを再認識する機会と言えるのではないでしょうか。