コラム
多世代交流がご高齢者の孤立を防ぐ
はじめに
現在、高齢化が進む日本では、ご高齢の方のひとり暮らしが増えています。ひとり暮らしによって多くの方が孤独や寂しさを感じているのではないでしょうか。
そんな中、ご高齢者と若者が交流する施設や、地域住民による支え合いの仕組みなどが少しずつ進展してきています。各地域のコミュニティによってご高齢者に新たな希望とつながりを広げています。
今回は多世代交流がご高齢者に対してどのような効果を与えるのか、また各地域がどのような多世代交流の取組みを行っているのかなどをご紹介していきたいと思います。
ご高齢者のひとり暮らし傾向について
内閣府の調査によると令和4年時点で全世帯が5,431万世帯あるのに対し、65歳以上の方がいる世帯が2,747万4千世帯と全体の約50%を占めています。(図1)
そして世帯構造を見た場合、昭和55年では3世代構成が全世帯の50.1%あり、全世帯のおよそ半数を占めていました。しかし、令和4年になると、7.1%まで減少しています。それに対し、ひとり暮らし(単独世帯)を見た場合、昭和55年の10.7%から令和4年では31.8%となり、およそ20ポイントの増加が見られます。

(図1)
(図1)引用:内閣府「令和6年度版高齢社会白書」第1章第1節-3より➚
ひとり暮らしによるリスク
- フレイルに陥る可能性が高まる
ひとり暮らしをすることで社会とのつながりが希薄となり、フレイルになるリスクが高まります。
フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間の段階と言われ、年齢を重ねていくことで、心身的な傷を負った時に回復する能力が低下し、徐々に日常生活にも支援が必要になる要介護状態に変化していく危険な状態を言います。(※1)
- 詐欺や窃盗などの犯罪に巻き込まれるリスク
警察庁は、令和2年度の警察白書の中で「高齢化の進展と警察活動」と題して特集を組んでいます。(※2)その内容をみると、刑法犯認知件数(警察などの捜査機関によって犯罪の発生が認知された件数のこと)のうち、ピーク時の平成14年に対して令和元年での発生件数は減少傾向にありましたが、ご高齢者の被害件数の占める割合は年々増加傾向にあると記載されています。
ご高齢者の犯罪被害件数が増加傾向にあると考えた場合、ひとり暮らしのご高齢者が犯罪に巻き込まれるケースも増加しうる可能性があることは否定できないでしょう。
- 急な病気やケガなどの発見が遅れがちになる
年齢を重ねるごとに身体的機能が低下し、思わぬケガや病気へのリスクが高まるのは想像に容易いでしょう。そのときに周りに家族や同居人がいればすぐに助けてもらうことができますが、ひとり暮らしの場合はすぐに助けてもらうことができず、発見が遅れて深刻な事態を招く恐れがあります。
(※1)参考:厚生労働省「健康長寿に向けて必要な取組とは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ」より➚
(※2)参考:警察庁「令和2年警察白書」第1節1-(1)より➚
多世代交流で期待される効果
ひとり暮らしによるリスクの対策として、多世代交流というものがあります。
この多世代交流について、筑波大学大学院医学医療系教授の安梅勅江(あんめ ときえ)氏は、活力のある高齢社会の実現を目ざし、研究をしています。その結果、多世代交流は、健康への関心や自分の健康状態の把握、生活の満足感などに関して良い効果をもたらす可能性があると述べています。(図2)

(図2)
(図2)引用:日本生命財団「多世代コミュニティ共創システム構築に向けた社会福祉法人の役割」
取組み事例紹介
内閣府では、「地域における多世代共生の取組み」(※3)をコラムとして紹介しています。
- 団地の再生と地域社会とのコミュニティづくり(ゆいま~る多摩平の森)
株式会社コミュニティネットが取組んでいるもので、ご高齢者から児童まで幅広い世代の方たちが、まさに世代を超えてお互いを尊重し合いながら支え合うまちづくりをしています。
ゆいま~る多摩平の森の職員の方は、「世代間の交流は、無理に交流するのではなく、多世代が存在する空間「共生」がポイントであり、過剰な交流は負担や疲れにつながるため、「緩やかにつながる」ことを大切にすることが重要」とお話されています。
- 生涯健康・活躍を目指す「ごちゃまぜ」のまちづくり(B’s行善寺)
石川県にある社会福祉法人「佛子園」が取り組んでいるもので、お年寄りから子ども、障害のある方もない方も、町全体で「ごちゃまぜ」で暮らせる地域を確立すべく取り組んでいます。
金沢市にある「Share金沢」には敷地内に学生向け住宅や、サービス付き高齢者向け住宅などの施設があり、「生涯活躍のまち」のモデルのひとつとして挙げられています。
(※3)参考:内閣府「平成29年高齢社会白書第1章第2節より➚
まとめ
世代を超えた人たちが交流することは、ご高齢者の孤独感を和らげるだけでなく、若者にとっても貴重な体験談などを学べる貴重な取組みと言えます。
多世代交流に限らず地域交流という場においては、国や行政などがきちんと準備し提供しなければなりません。
長年にわたって日本を支えてきた方々に寂しい思いをさせることなく、充実した日常生活を送れるように我々も取り組まなければならないと思います。
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