コラム
まだまだ危ない!ノロウイルス感染症
はじめに
例年、ノロウイルス感染症は12月~1月に流行のピークを迎えます。このコラムの執筆時点は、ウイルスが活発化する冬の時期もそろそろ終盤を迎えています。
しかし決して感染のリスクが無くなったわけではなく、油断をしていると思わぬ感染拡大につながりかねません。
特に、免疫力が低下しているご高齢者にとっては、感染リスクはまだまだ高い状態だと言えるでしょう。
今回は、ノロウイルス感染症の特徴や感染状況、感染予防対策などについてお話していきます。
ノロウイルス感染症とは
ノロウイルス(Norovirus)は、かつてノーウォーク様ウイルス(Norwalk-like viruses)などといった属名で呼ばれていましたが、2002年に国際ウイルス命名委員会によって「ノロウイルス」という正式名称が決定されました。(図1)
ノロウイルスは、ヒトに感染するウイルスで、下痢や嘔吐などの急性胃腸炎の症状を引き起こしますが、多くは数日で自然に回復すると言われています。
ノロウイルス感染症の特徴は以下の通りです。
症状
下痢や嘔吐などの急性胃腸炎症状を引き起こします。しかし多くは数日で自然回復すると言われています。
潜伏期間
感染から発症までの潜伏期間は24時間~48時間と言われています。
感染経路
感染経路は主に以下の4つと言われています。
- 経口感染
ノロウイルスに汚染された食べ物を充分に加熱処理せずに食した場合に起こります。または感染者が調理することで、その人の手から食べものに付着し、それを食べることで感染するというものです。
ノロウイルスに汚染された食べ物を充分に加熱処理せずに食した場合に起こります。または感染者が調理することで、その人の手から食べものに付着し、それを食べることで感染するというものです。ノロウイルスに汚染された食べ物を充分に加熱処理せずに食した場合に起こります。または感染者が調理することで、その人の手から食べものに付着し、それを食べることで感染するというものです。 - 飛沫感染
感染した人の吐しゃ物が床に落ちる際に飛散し、周りにいた人たちがその飛沫を吸い込むことで感染します。 - 接触感染
ノロウイルスに感染した人の排泄物や吐しゃ物に直接手を触れ、手に付着したノロウイルスによって感染するものです。また、感染者がトイレを出る際などに十分に手洗いをせず、手にウイルスが付着した状態でドアノブなどを触り、そのドアノブを介して他の人に感染します。 - 空気感染
ノロウイルスに感染した人の便や吐しゃ物が時間を経て乾燥し、そこに付着した「ほこり」とともに空気中に舞い上がります。それを吸い込むことで体内にウイルスが侵入し感染します。
(図1)引用:NIID国立感染研究所「ノロウイルスの電子顕微鏡像(埼玉県衛生研究所篠原先生撮影)」➚
参考:NIID国立感染研究所「ノロウイルス感染症とは」より➚
政府広報オンライン「ノロウイルスに注意!感染経路と予防方法は?」より➚
流行期と感染状況
流行期と感染状況を(図2)のグラフで見た場合、流行期は11月から感染者が増え始め、12月~1月までをピークとして減少し始めることが見て取れます。
このコラムを執筆した2月~3月ごろでは、ピークは過ぎているものの油断はできない状況が続いていることが見て取れます。特に持病をお持ちの方やご高齢者の方は、免疫力と体力の低下が考えられ、症状が重くなる場合がありますので注意が必要です。
(図2)引用:政府広報オンライン「ノロウイルスに注意!感染経路と予防方法は?」より➚
ウイルスに感染しないための予防策
食品を取り扱う方(主に事業所などで業務として取り扱う方)には、厚生労働省より、ノロウイルスに関する注意喚起リーフレットが公開されるなどしています。
では、わたしたちが自らできる予防策は何があるのでしょうか。
政府広報オンラインでは、ノロウイルスの感染を含め、食中毒全般に対して予防4原則として対策を呼びかけています。
それは「持ち込まない」「つけない」「やっつける」「ひろげない」の4つです。
持ち込まない
ご家庭で食事を作る場合に調理する人がノロウイルスに感染していると、その人が調理したものを介して多くの人にノロウイルスが二次感染してしまうことが考えられます。
ふだんから丁寧な手洗いと日々の健康管理を怠らないようにし、万が一症状がある場合には、食品など感染の恐れがあるものには触れないようにしましょう。
つけない
食器などに良く触れる調理時には、調理する前にしっかりと手洗いすることを意識しましょう。そして普段の日常生活でもノロウイルスを「つけない」ようにすることが大切です。
手洗いのタイミングとしては、台所に入る前や調理する前、そして手袋を着用する前などに手洗いをするのが効果的です。
やっつける
一般にウイルスというのは熱に弱く、ノロウイルスも例外ではありません。食品においてはしっかりと加熱することが重要で、中心温度85℃~90℃で90秒以上の過熱をすれば殺菌処理できます。
また、身近で使う食器や衛生器具などの消毒は徹底するようにしましょう。
ひろげない
万が一身近でノロウイルスの感染が発生した場合には、二次感染を予防するために、食器や生活環境に関わるもの(手すりやドアノブ)の消毒を徹底しましょう。
参考:政府広報オンライン「ノロウイルスに注意!感染経路と予防方法は?」より➚
まとめ
依然として感染リスクは残っているノロウイルス感染症。特に持病をお持ちの方や乳幼児、ご高齢者の方は重症化しやすいと言われていますので、注意が必要です。
「ピークが過ぎたからもう安心」と考えるのではなく「最後まで気を付ける」と思うことが感染を防ぎ、健康的な日常を送れるカギとなります。
ノロウイルス感染症の感染率が減ってきているときだからこそ、油断をせずに対策を続けていきましょう。
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