コラム
高齢者と白内障の関係性
はじめに
旅行へ出かけた時の素晴らしい景色や家族の笑顔、普段何気なく見ている景色。それらが「見える」という当たり前の感覚が徐々に鈍くなり見づらくなる。そんなことを想像したことはありますでしょうか。考えると不安になりますよね。
眼の病気は実にいろいろな種類があります。その中でも主に加齢によって起こる「白内障」をご存じでしょうか。
ここでは、白内障の種類や仕組み、原因などをお話していきたいと思います。
白内障とその種類
白内障とは、目の中に入る景色のピントを調整する「水晶体」というものが、加齢やその他の原因によって濁ってしまう病気です。
そして白内障は大きく2つの種類に大別され、生まれつき発症している「先天性白内障」と、加齢や外傷等、何らかの原因から発症する「後天性白内障」に分別されます。
白内障の症状
白内障の症状には、ものが二重に見えたり、かすんだり、まぶしく見えたりする、といったものがあります。これらは水晶体の濁りによるものであり、また、進行すると必ず視力が低下していきます。(図1)
(図1)
(図1)引用:白内障LAB 「白内障とは」➚
加齢と白内障の関係
先述したように白内障は水晶体に異常が生じることによって症状が出るものですが、そもそもこの「水晶体」には、大きな特徴が2つあるそうです。
特徴1
水晶体はカメラに例えた場合「レンズ」に相当する働きがあり、物を見た時にピントを合わせる役割を持っています。
特徴2
水晶体は光を集める働きをします。具体的には透明な組織で光を透過し、眼底の網膜に
光を集め、物の形を結ぶ働きをします。
そして「特徴2」において、水晶体が加齢によって濁ってしまった時(外傷やその他の原因で発症する場合もありますが。ここでは老化由来のものについて記載します)、光が遮断されて物体の形を結ぶ働きが弱くなり「物がかすんで見える」などの症状が出ます。これにより「特徴2」の働きが鈍くなります。これが「白内障」と呼ばれるものです。
このように加齢によって引き起こされる白内障は「老人性白内障(加齢性白内障)」と呼ばれるそうです。このことからも加齢と白内障との関係は深いことがわかります。
加齢に伴う身体能力の低下は仕方のないことです。水晶体も加齢によって機能が低下し、「白内障」などを引き起こします。
下記グラフ(図2)の「白内障 年齢別患者数」を見てみると、60代から急激に増加していることがわかります。特に70代では、男性がおよそ34万人、女性がおよそ44万人と、
白内障を患う方が非常に多いことがわかります。
(図2)
(図2)引用:参天製薬株式会社「数値で見る白内障」より➚
白内障の治療方法
症状が軽度の場合
症状(目のかすみ、視力の低下など)が日常生活に大きな支障をきたさない段階の場合は、主に点眼治療や内服薬による治療が基本になります。
しかし、これらは「あくまでも白内障の進行を抑えること」が目的あることを忘れてはいけません。
症状が進行した場合
症状が進行し、日常生活や仕事に大きな支障をきたす場合には、外科的手術が行われる場合があります。
現在は、「超音波水晶体乳化吸引術」が一般的とされています。この術式では、濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き、そこへ代わりとして人口水晶体の眼内レンズを入れ込みます。白内障の手術は、安心して多くの患者さんが受けられる手術のひとつと言われているそうです。
手術にかかる費用の目安と保険の適用について
白内障の治療を考える際、やはり費用面が気になってしまうのは当然でしょう。特に手術となると心配になりますよね。
また、「手術による治療は保険が適用されるのか」という点も気になる方が多いと思います。ほとんどの方が可能な限り保険診療を希望されるのではないでしょうか。
手術に使用される人口水晶体の眼内レンズは主に、「単焦点眼内レンズ」(※1)と「多焦点眼内レンズ」(※2)があり、保険が適用されるのは「単焦点眼内レンズ」を選択した場合のみです。「多焦点眼内レンズ」は保険適用外になっています。
<手術にかかる費用の目安>
ここでは、一般的に行われている保険適用の「単焦点眼内レンズ+超音波手術」での費用目安を記載します。
- 自己負担額1割・・・片目 約15,000円
- 自己負担額2割・・・片目 約30,000円
- 自己負担額3割・・・片目 約45,000円
単焦点眼内レンズは、遠方、中間、近方のどこかひとつにピントを合わせた眼内レンズで、合わせたピントの範囲内でとてもクリアな視野を得ることができます。逆に言えば、ピントを合わせていない範囲では、見え方によってメガネが必要になる場合もあります。
(※2)多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは、遠方、中間にピントを合わせられる眼内レンズで、ピントを合わせた範囲内ではとてもクリアな視野を得ることができます。手元(近方)を見るときにメガネが必要になる場合があります。
まとめ
白内障は加齢によって発症する可能性が高い病気です。白内障を放置していると、最終的には失明に至るそうです。
白内障に該当する症状をお持ちの方は、早めに眼科を受診することをお勧めします。
「歯は噛めるように」「耳は聞こえるように」「眼は見えるように」そこにあるという、普段当たり前だと思っていたことが実はそうではなく、とても大切なことであると病気を通じて痛感することが必ずあります。そうならないためにも、早め早めの受診を心掛けることは、極めて大切なことだと言えるのではないでしょうか。
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