コラム
介護用具と福祉用具の紹介
はじめに
opsol株式会社は、介護事業や障害福祉サービス、高齢者向け在宅事業などを展開しています。opsol株式会社で働いているスタッフの業務は、サービスの特性上、ご利用者様の食事の介助や入浴の介助、着替えの介助等の身体介助(身体介護)が中心となります。まさに体力重視の仕事と言っても良いでしょう。しかし、体力に自身のあるスタッフであったとしても、用具や機器もなく仕事をするのには限界があります。それぞれの業務に特化した用具や機器、いわゆる支援ツールは欠かせません。
今回は介護や福祉の場で使用される用具や機器のご紹介をしていこうと思います。
介護用具(機器)と福祉用具(機器)について
介護用具(機器)や福祉用具(機器)と呼ぶことがありますが、それぞれを別の意味の言葉として認識すべき定義などは特にないようです。
厚生労働省が提示している「福祉用具貸与(参考資料)」(注1)においても、福祉用具は要介護者などの日常生活などの便宜を図るための用具という旨の発表が為されています。
要するに介護に使用する用具は、総じて福祉用具と呼ぶという認識で問題ないと言えるでしょう。
よってここからは介護用具や福祉用具を総じて、『福祉用具』と呼ぶことにします。
福祉用具の紹介➚
福祉用具には非常に多くの種類があります。今回は厚生労働省が介護保険で貸与、及び販売を認めているものを、その種別を表す「種目」を基準にご紹介していきましょう。
福祉用具は、原則として貸与(レンタル)での利用が想定されています。しかし再利用できないものや、他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が発生してしまう用具であるなどの理由で、例外として販売という形をとっている用具もあります。
貸与
車いす
車いすは手動式と電動式と大きく分けて2種類あります。この場では手動式車いすをご紹介します。
基本構成は、タイヤ(前後輪)、シート、背もたれ、肘あて、足底を乗せるフットサポート、サイドガード(衣服のタイヤ巻込み防止)となっています。他にも介助するにあたって、握り(介助する人の操作用)やティッピングレバー(段差なので前輪を上げるときに介助する人が足で押さえるもの)があります。
歩行器
加齢に伴う身体状況の変化により歩行に支障をきたしている方などが、歩行の補助的役割を担うものとして使用する代表的な用具のひとつです。
歩行器を使用することによって、介助なしで自分の足での移動が可能になります。また、歩行のサポートをするだけでなく、歩行による足腰の負担を軽減できる福祉用具であり、使用することによって健康的な日常生活を送ることが可能です。
手すり
手すりは使用場所や使い方によっていろいろな種類があります。ここでは据え置き型(突っ張り型)の手すりをご紹介します。
手すりは、立ったり座ったりの動作を、姿勢が崩れて転倒しないように、掴まりながら行うことを目的とした福祉用具です。
筋肉が衰え立ち上がることが難しくなるご高齢の方にとって、非常に効果的な用具です。手すりを使用し、ご自分で立ち上がったり座ったりの動作を行うことで、体力的負担が軽減されながらも適度に筋肉を使うことが可能となり、健康維持の面でも良い結果をもたらすでしょう。
移動用リフト(吊り具除く)
ベッドから自分で起き上がれない方や、起き上がれたとしても車いすに自分で移乗できない方などに用いられます。
介護される方に設置した吊り具に座っていただきリフトで上昇下降、または左右移動や旋回などを行って車いすやストレッチャーなどに移乗するためのものです。なお、リフトのみが貸与の対象となっており、吊り具は別途販売の対象となっていますのでご注意ください。
この用具もいろいろな種類がありますが、基本的な構造は油圧や空圧、及び水圧を利用したポンプ式で稼働する物が多いようです。
水平方向の移動にはキャスターが取り付けられており、介護をする方がこれを操作して移動します。
介護ベッド(特殊寝台)
特殊寝台は介護用ベッドと同じ意味で使われることが多いようです。
日常生活で、また、介護を受けるうえで、ベッド上にて自力で体を起こすことが困難な方などのサポートをする役割を担います。
厚生労働省が掲出している資料(注2)によれば、「介護保険における福祉用具の選定の判断基準(P21)」には以下のものがあります。
- サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付けることが可能なもの
- 背部又は脚部の傾斜角度が調整できる機能があるもの
- 床板の高さが無段階に調整できる機能を持ったもの
- 2.3.のいずれかの機能を有するもの
とあります。
また上記2及び3を実現するための動力の違いから、ハンドルを使って操作する「手動式」と操作スイッチを使用する「電動モーター式」とがあります。それぞれの動力が「手動式」か「駆動モーター式」かについては、介護ベッドの仕様によって異なるので注意が必要です。
注2 参考:厚生労働省 介護保険における福祉用具の選定の判断基準➚
歩行補助杖
歩行補助つえは、歩行困難な状況を緩和するため、杖、両足の3点で体重を支えることを目的として利用されます。結果、歩行による体の負担を軽減することができ、歩行がしやすくなり、同時に歩行することに前向きになることも期待でき、それらの効果で筋力や健康の維持に繋がることも期待できる福祉用具となっています。
なお、イラストは先端が4点ある杖の中でも一般的な「多脚杖(多点杖)」ですが、T字型のグリップが付いて最もスタンダードな「T字杖」や、輪に腕を通しその下に手で握るためのグリップが付いた「ロフストランドクラッチ(前腕固定型杖)」などがあります。
床ずれ(褥瘡)防止器用具
これには静止型マットレス、圧切り替え型マットレス(エアマット)などの種類があります。
いずれも床ずれ(褥瘡)を防ぐために体圧を分散させる目的で作られており、静止型はウレタンやゲルなどの柔らかい素材を内部に入れて体圧を分散させるタイプです。一方、切り替え型は「エアセル」と呼ばれる空気の筒でできており、そこに空気を送り込むことで使用者の体勢を変え、床ずれを防止する役目を持っています。
その他
上記の他にも「スロープ」や「認知症老人徘徊感知器」、「自動排泄処理装置」や「体位変換機」などがあります。
販売
腰掛便座
腰掛便座は大きく4つのタイプがあります。
便座、バケツからなっているもの(通称ポータブルトイレ)や和式便器の上に洋式便座を被せて使うもの、洋式便器の上に置き高さを底上げし立ち上がりを楽にするものや、スプリング又は電動で便座から立ち上がる時に補助してくれるものなどがあります。
いずれも腰掛式にすることで便座からの立ち上がりを容易にできるように補助する福祉用具となっています。
その他
その他にも「簡易浴槽」や「入浴保持用具」、「移動リフトの吊り具」などがあります。
まとめ
実に様々な福祉用具がありますね。これらの福祉用具によって介護する方の負担は軽減されるのではないでしょうか。例えば移動用リフトを見ても、人の力を主動力として行ってきた移乗行為対して、リフトを使用することで介護する方の身体的負担を大きく軽減することができます。同時に、福祉用具は介護を受ける方自身のQOL(注3)向上にも寄与してくれます。
年々介護職の方が減少してきている今、それを補うだけの福祉用具が開発され、介護職もしくは介護する方の負担を少しでも軽減するために、また、介護を受ける方のQOLを向上させるため、更なる福祉用具の開発が望まれるところです。そして介護される方も介護する方も、穏やかな日々を暮らせる日が来ることを願って止みません。
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